AIとチャットボットの費用対効果を計測する方法

コールセンターの人手不足や呼の減少を期待されるAIチャットボットの活用ですが、電話の呼が減らないで結局作業が増えるというのは周知の事実です。

とはいうものの、多くの人がチャットやSNSで「すぐに答えがわかる」というスピード感が浸透しているため、企業側もそのチャネルを使わざるを得ないというのが現実です。

カギとなるのは、AIやチャットボット導入に伴うROI(投資利益率)が十分に見合うものかどうかです。一般的に、自動化のメリットはハッキリしているのですが、多くの顧客サポート組織はいまだ導入にあたり、「これ!」と言える明確な導入メリットを探しているようです。

そこで、CaféX Live Assist® for Microsoft Dynamics 365のためにCafeXが開発したROIモデルがありますので、ご紹介したいと思います。

Step 1:チャネル毎のピーク時に必要なオペレーターの数を算出

ここで紹介するROIモデルは、通話を別のチャネルにリダイレクトするLive Assist for Dynamics 365の能力に左右されます。

例をあげましょう。今のところ、下記の図にあるようなサポート組織は、Eメールやウェブポータル、音声通話のチャネルを持っています。アーランC式アルゴリズムに業界標準値を加え、顧客に供給される測定基準と組み合わせることにより、最繁時に必須のサービスレベルで必要な通話数を処理するために求められるオペレーター数を見積ります。

JavaScriptでアーランCによりコールセンターの必要席数を計算する


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 Step 2:人間のオペレーターと対比して、AIチャットボットによって開始される対話数を予測

 次のステップは、AIやチャットボットが始めたEメール、ウェブチャットの一部をライブチャットの会話にリダイレクト(オペレーターへのエスカレーション+画面共有)し、Live Assistが実行された後の状態を予測することです。

この例では、Eメールの15%とWEBチャットの10%は、チャットボットが初期対応にあたり、自動化されたインタラクションの3分の2がライブチャット(画面同期)エージェントにエスカレーションされます。チャネル毎の新しいインタラクションを使用し、アーランを再実行することにより、必要なライブサポートエージェント数の予測値は5000から4390へと減少しました。

Step 3チャットボットのTCO(総所有コスト)をコスト削減長期計画と比較

オペレーター数を最適化し省力化するには、年毎の常勤エージェントの総コストを見積もり、労力削減を完全に実施するのに、数か月もしくは1年ほどにまで及ぶ可能性があることを考慮に入れる必要があります。

導入による利益が実際に見えるようになるには数か月から1年かかることもあります。

利益をさらに相殺させるために、サブスクリプションライセンスやプロフェッショナルサービス、ラボテスト環境、ソリューション管理者など、Live Assist for Dynamics 365実装の関連コストを組み込みます。上の図を見ると、控え目にかつ全体を見積もっても、利益はコストを上回ります。投資回収に1年もかからないでしょう。下の例では、あるサポート企業が3年で3倍の投資収益率を達成していますが、投資回収には9か月で成功していることがわかります。

 画面共有を用いるなら、エージェントが訪問者を関連商品に誘導し購入させるアップセルやクロスセルの機会が増え、利益はさらに伸びることになります。

この話題は今後もさらに深めていきたいと思います。

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