- サポート部門とヘルプデスクは、AIをはじめとする発展していく技術と高機能なアプリによる劇的な変化を経験しており、企業側のサポートへのユーザーの期待値も高くなっています。
- より効率的なコミュニケーションを可能にする新技術は、ITサポートにとって恩恵にもダメージにもなるので、どう使いこなすかによって、顧客満足度を上げるか下げるかが分かれます。
- バーチャルアシスタントはエージェントに代わるものになりつつあります。
ヘルプデスクソフトウェア業界は、変革の時を迎えています。顧客の問題を解決するためにソフトウェアを使用するという点は変わりません。しかし、使われるソフトウェアの知能が格段に変わっているのです。 AIや機械学習、ビッグデータは、テクノロジーの世界を一新しようとしており、すでにそれらのアプリは消費者生活を変え始めています。これは、ヘルプデスクソフトウェアを含むすべての産業に、大きな影響を及ぼします。
また、AIがシステムから供給されるデータにもとづいて動作する一方で、機械学習は、コンピュータが人間のように考え、行動することを可能にしつつあります。
それらの技術が、ヘルプデスクソフトウェア業界において予想されるトレンドを見てみましょう。
パーソナライズされたスマートテクノロジーの発展
全体的に顧客が期待するサポートを得ることができ、エージェントがよりスマートに解決策を提供できるような技術が、トレンドになっていくのは間違いありません。それが「いつか」という問題は残りますが。
一例として、もしNetflixやAmazonに加入しているなら、送られてくるおすすめの映画や商品が、自分の以前の行動に基づいていることに気づくかもしれません。その背後にはAIがいます。NetflixもAmazonもビッグデータを用いて、それぞれの顧客に合った情報をスムーズに提供しているのです。
AI技術の応用
AIは、主に顧客接するインターフェイスとして、すべての業界で用いられるようになるといっても過言ではありません。とりわけヘルプデスクサポート業界が、AIオートメーションが用いられる主要な部分として注目されています。
多くのプロセスはAIによって自動化していき、人間による対応や意思決定が必要とされる業務や問題解決においてのみ、サポートスタッフが対応していくことになります。
輸送ビジネスを例に考えてみましょう。AIにより、特定の区間の道路交通量を予測することができます。あまり日本で使われていないので驚いたのですが「WAZE」というカーナビアプリは、リアルタイムに渋滞を予測して最速の道案内を提供してくれます。ただし、本当に地元の人しか使わない道を案内されることもあり、途中で不安になる場合もありますが。。。また、AlexaやSiriのようなスマートパーソナルアシスタントは、予定を立てるのに役立つ音声コマンドを受け入れることができます。
機械学習の質
機械学習は、人間のような思考や決定を、機械が一定の精度で行えるという考えに基づいています。その精度が高いほど、人間の仕事を代わりに行える可能性が高くなります。
機械が人間と同じほどの知性を得るなら、ハイレベルな自動化を実現することが可能になりますが、この知性の「質」が、向こう数年間のAIベンダー間での競争のカギとなるでしょう。
チャットボットは革命をもたらす(かも?)
顧客対応の自動化において、一部の専門家が予測しているような大幅な技術の進歩が見られた場合、企業は人間によるやり取りを可能な限り業務から除きたいと思うでしょう。
顧客の問い合わせを理解し、問題を解決したり、必要なら先送りにしたり(これは結構ハードルが高い。。)できるボットが、顧客からのチャットに即座に応答します。
これにより、顧客は時間や労力を節約でき、誰もが満足できる仕方で、問題を解決できるようになるのです。
例えば、ハードウェアビジネスにおいて、顧客がシステムのストレージに関する問題を抱えているとしましょう。顧客はヘルプデスクページにログインし、質問を入力します。問合せを理解できるボットが、ハードドライブの拡張やスペースの分割などの解決策を提供します。ボットはAIや機械学習によって動かされ、顧客が入力するキーワードやチャットボックスを使用することで動作します。
エージェントにパワーを付与するAI
AIや機械学習がコールセンターにどれほどの影響を与えることになるのかを完全に予測することはできませんが、機械が人間とまったく同じ思考や行動ができない限り、人間による監視や教育といった関わりが常に必要となります。ですから、業界全般にわたってヘルプデスクの基盤となるサポートスタッフは、すぐにAIに仕事を奪われるわけではありません。
しかし、機械はエージェントと顧客の行動を比較分析し、顧客の問題に対する解決策を提案することができるようになるのは確実です。
AIにより、エージェントはよりスマートかつ手際よく、苦情を解決できるようになるのです。AIベースのソフトウェアは、問題解決の単なる一部ではなく、ヘルプデスクスタッフの同僚になります。エージェントはソフトウェアを教育することができ、またその逆も可能です。
この考え方はミッシングミドルと呼ばれ、AIと人間が相互に補完しあう考え方として認知されています。ミッシングミドルについては下記の書籍が参考になります。
ビッグデータと全体像
有意義な切り口で分析を行って、さらにそれを活用しない限り、データそのものは役に立ちません。ですがAIや各種のツールは、会社全体からの膨大な量のデータを分析し、気づきにくいビジネスチャンスを組織のリーダーが識別できるよう助けることはできます。
一例として、DeepText(参考:FacebookがついにAI『DeepText』運用開始!botラッシュの起爆剤になるか?https://ledge.ai/deeptext_fb/)はFacebookの新しいAIですが、毎秒数千件の記事のテキスト分析を可能にします。そこで、著名人い関係する大量のコメントがあっても、仕分けし、もっとも関連性の高い情報を見つけ出す手助けをしてくれます。
ヘルプデスクソフトウェアはこれまで以上に多くのことを可能にしていきます。AIベースのヘルプデスクソフトウェアはもはやエージェントを助けるだけにとどまらず、企業のリーダーが決定を下すのに欠かせないツールとなっていくでしょう。